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2009年4月11日
自信を持って質の高い「静脈内鎮静法」をご提供します
歯科治療は多くの人にとって大きなストレスであり、それが理由で受診が遅れ、より悪化してしまっている、あるいは必要だと思っていてもなかなか治療に踏み切れないということが、日常的に見受けられます。
一方社会が成熟し、健康に対する意識が高まる中で、治療や検査は辛くて苦しいものから、出来るだけ楽にという方向にシフトしてきています。
医学・医療の発達に伴い、希望すれば無痛分娩や鎮静剤を用いての消化器内視鏡検査は一般的になっています。またガンの治療・検査においても、痛みのコントロールである「緩和ケア」を併せて行っていくことは当たり前になってきています。
歯科診療においても、無痛治療という言葉を目にすることは多くなりました。なるほど軽度の治療においては、レーザー治療器などを用いてある程度の無痛治療は可能になってきています。
治療時のストレス開放についてこだわり、実践し続けてきました
私は、痛みと、緊張・不安・恐怖といった治療時のストレスからどうすれば患者さんを解放してあげられるかをずっと考え、実践してきました。
まずは大学歯科麻酔科にて処置・手術中の全身状態の変化、そして全身麻酔をはじめとして、さまざまな術中の管理方法をじっくりと学びました。
その後は自費診療専門の開業医として23年間にわたり札幌と東京・赤坂にて、65カ国約1000名の外国人を含む6000名以上の患者さんに対して、オーダーメイドの歯科診療を手がけ、治療・予防の結果のみならず、そのプロセスにおいて、安全・安心そして快適性も考慮しながら診療をおこない高い評価をいただいて参りました。
患者さんには「歯の治療って楽に受けられるんだ!こんな方法があるのだったら、ぜひ歯医者に行こう!」「こんなに楽に治療を受けてもらえるのなら、最善と思える治療を積極的にお勧めしよう」と、明るい気持ちになって戴きたいと思っています。
歯の治療を大きなストレスだと考えている人、楽に治療を受けたい人、全身的なリスクのある人に対しては、究極の無痛治療である静脈内鎮静法を中心とした、さまざまな麻酔科的手法を積極的に取り入れて無痛治療を実践してきました。
2010年に開業医を卒業したあとは、第一線の病院麻酔科にて最新の全身麻酔・鎮静そして周術期の全身管理業務に専従し一層の研鑽に努めました。
2012年より本格的に「静脈内鎮静法の出張サービス」及び「リスク管理のコンサルタント」の業務に専念いたしております。
安心・安全・快適な歯科診療にこだわってきたからこそ、自信を持って質の高い「静脈内鎮静法」をご提供できるものと確信しております。
プロフィール
東京歯科麻酔サービス/代表 福田 原(ふくだ はじめ)
【経歴】
1958年生まれ
1983年 北海道大学歯学部卒業
同年 北海道大学歯学部付属病院口腔外科勤務
1984年 同歯科麻酔科勤務
1986年 日本歯科麻酔学会認定医取得(第290号)
1987年 大通り福田歯科開業(札幌)
1993年 赤坂パークビル歯科移転開業(東京)
2005年 日本抗加齢医学会専門医取得(第1401号)
2010年 赤坂パークビル歯科閉院
2011年 恵佑会札幌病院麻酔科
2012年 東京歯科麻酔サービス開設
2009年4月 7日
静脈内鎮静法実施に際して患者さんにお伝えする注意事項
静脈内鎮静法の安全な実施のために、患者さんへ注意事項の周知徹底をお願いいたします。
【前日】
・食べ過ぎ飲みすぎを避けて、十分な睡眠を取り、体調を整えてください。
【当日の朝】
・体の調子が悪かったり、不都合なことが起こった場合にはご連絡ください。
・いつものお薬は、指示がない場合には通常通りに服用してください。
・食事と水分摂取は、治療開始の3時間前までに済ませ、それ以降は何も飲んだり食べたりしないでください。
*ただし、糖尿病でインシュリンや血糖降下剤を服用している方は、あらかじめご相談ください。
・血圧計、心電計を装着するので、腕や素肌を出しやすく、ゆったりとした服装にしてください。
・ブーツやヒールの高い靴は避けてください。
・治療開始10分前までにはお越しください。
・治療後は薬の影響で危険なので、車、バイク、自転車ではお越しにならないでください。
【入室前】
・必ずトイレを済ませ、ストッキング、タイツ類は脱いでください。
・動脈血中酸素飽和度測定装置のセンサーは、爪にクリップで装着するので必ずマニキュアなどは落としてください。
・口紅、化粧、クリーム類を落とし、コンタクトレンズ、腕時計、ピアスなどのアクセサリーはすべてはずし、長い髪は束ねておいてください。
【治療後は】
・原則として、責任の取れる大人の付き添いの方のお迎えをお願いします。
・眠気やふらつきが残り、正常に戻るには2時間ほどかかります。したがってある程度回復するまでお休みいただきます。
・当日は、車、バイク、自転車の運転、火を使う調理、アルコール摂取は禁止です。
・階段、交差点、プラットホーム、段差などでは十分注意してください。
・帰宅後に眠くなることがあります。当日は責任の伴う仕事や激しい運動は避けて、ゆっくりとお休みください。
*静脈内鎮静法終了後の帰宅条件について
・意識が明瞭でバイタルサインに異常がない。
・ふらつくことなくまっすぐに歩ける。
・ロンベルグテスト*で異常がない
・嘔気・嘔吐がなく、経口摂取が可能である。
・歯科治療に継発する痛み、出血などの異常がない。
・帰宅時の安全性が確保できる。
*帰宅の許可は、術中の薬剤の効果、投与量や、投与量、投与時間および経過時間などを総合的に判断して決定いたします。鎮静からの回復は個人差が大きいため、時間的な余裕を持ってお越しいただくように、患者さんには指示してください。
*ロンベルグテスト......平衡機能を調べるためのテストです。目を閉じたまま30秒間直立し、ふらつき状態を観察します。鎮静から回復していれば、この間ふらつきなく直立していることができます。
2009年4月 5日
全身状態の管理やペインコントロールから解放され、治療や手術に集中できます
インプラント治療は患者さんの期待も大きいだけに、治療を成功させるためには、各ステップにおいて膨大なエネルギーを要します。先生方の負担は大変なものです。
通常患者さんは、耳を澄まし、全神経を集中させて手術や治療を受けています。切削器具を扱ったり、バキュームを押し付けたりするその操作、スタッフを注意する先生の声、そういったことを全部わかっています。
一方で先生は、血圧や脈拍はもとより、気分が悪くなったりしていないか、注水がのどの奥にたまって苦しくないか、長時間お口を開けていてアゴがつらくないか、じっと同じ姿勢を保って腰が痛くなっていないか、疲労感はどうなのかなど、常に患者さんの全身状態にも気を配らなくてはなりません。
こういった条件の中で診療の精度を保ち、加えてホスピタリティの維持・向上を実現させることは容易ではありません。
このページでは、インプラント治療における「静脈内鎮静法」についてご説明します。
あきらめていた症例にもインプラントが可能になります
また、全身疾患の評価や、そのリスク管理にためらいがあって、インプラント治療をお勧めできないでいることはないでしょうか?
術前の全身評価や、術中の全身管理、ペインコントロール、ストレスコントロール、リスク管理を、その専門家である歯科麻酔科医と上手にタイアップすることで、先生ご自身は手術、治療に集中していただくことができます。それは患者さんからの信頼をより高めることに繋がっていきます。
先生は高度化する診療を取り入れて、常に精度高くそれを提供していかなければなりません。そのためには優秀なスタッフの育成とともに、専門家と連携しての集学的な診療が必要不可欠になってくることはもはや自然な流れといえます。
患者さんに驚きと感動を与えられます
インプラントの必要性はわかるけど、手術が怖い、耐えられるか自信がない......こういう声は、インプラント手術をためらう患者さんからよく聞かれます。またインプラント手術に成功した患者さんの中にも、局所麻酔のみでの手術がとても怖かったし、つらかったとおっしゃる方がいらっしゃいます。
インプラント手術時の実際
術中のストレスは痛みだけではありません。
局所麻酔が注入される圧力、粘膜を剥離するときの力、切削器具の振動や音、長時間口を開け続けたり、同じ姿勢を続けること、何気ない先生やスタッフの一言......。
静脈内鎮静法を用いることにより傾眠、時には入眠してしまうくらいに精神的緊張が緩和され適切な鎮静状態になれば、そういったストレスから開放されます。つらくなくなるのです。
健忘効果がイヤな記憶を消し去ります
「鎮静においては、健忘効果が重要であり end point である」、「術中に感じた不快感を術後に記憶していないことこそが、患者さんにとって有益である」といわれています。最近の研究では75%の患者さんが術中の記憶がなく、静脈内鎮静法の健忘作用によって不快な記憶が排除できています。
(日本歯科麻酔学会誌、33(5)714~719,2005、39(5)649,2011)
確実なペインコントロールの重要性
患者さんの満足を得るために、周術期(術前、術中、術後)に、いかに確実にペインコントロールを行えるかは、とても重要な要素です。
「痛み」や「不快感」を感じ、それをガマンすると、鎮静から覚醒してしまったり、局所麻酔が効きにくくなったり、迷走神経反射(疼痛性ショックや神経性ショック)、過換気症状などの全身的な偶発症を引き起こしてしまいかねません。安全・安心・快適からは程違い状態になってしまいます。
従って、確実な局所麻酔を施行することで、安定した鎮静状態を持続させることができます。鎮静と確実な鎮痛がすばらしい相乗効果を生むのです。
術後疼痛管理の重要性
術後のペインコントロールに関する最新の考え方は、疼痛が発生する前に痛み刺激の伝達神経を遮断あるいは、各種鎮痛薬を投与し、痛み刺激が中枢神経系に到達しないようにして、痛み起因物質の発生を抑え、術後痛を軽減させようという、pre-emptive analgesia(先取り鎮痛、先制鎮痛)という概念に基づいています。術後痛の軽減は、創傷の治癒にも効果的に作用するともいわれています。
確実な局所麻酔によって侵害刺激の入力を遮断する、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)を用いて、局所での二次痛や末梢性感作を抑制する、麻薬性鎮痛薬を用いて、中枢性感作を抑制するといった方法が有効です。
患者さんは次の患者さんを紹介してくださる大切な広告塔です。ぜひ静脈内鎮静法を上手に併用して、サプライズと感動を与えてあげてください。
歯科麻酔科医とのチームアプローチの重要性
手術や治療が成功するということは、最終的には患者さんが満足するということにほかなりません。そのためには、機能や審美性の十分な維持、回復はもとより、治療や手術といったそのプロセスにおいても十分なホスピタリティが必要になってきます。
歯科麻酔科医が術前から関わり、術中も最善やり方で静脈内鎮静法を施行し精神的緊張を取り去ることで、肉体的ストレスも緩和させ、バイタルサインの安定化を図ることでリスク管理を徹底し安全を確保することが可能です。適切な鎮静は傾眠と健忘効果を発揮し、術中の局所麻酔や手術や処置のストレスから、患者さんを解放してあげることが可能となります。
患者さんは、治療や手術を成功させたい、そして安全・安心・快適に進めてほしいという大きな2つの願いがあります。
先生が治療や手術に集中していただくために、患者さんの全身状態を、安全・安心・快適な状態に保つことが歯科麻酔科医の仕事ですが、見方を変えれば、患者さんの代理人として自分ではできない全身管理を、患者さんに成り代って行うとも言えます。
モニターを通じて患者さんを知る
鎮静中、持続的にバイタルサインをモニタリングすることで、患者さんが感じる「痛み」や「不快感」や、「鎮静の深度」をリアルタイムで把握することができます。
バイタルサインを持続的に監視し、その変化をいち早く読み取り、迅速に適切な対応をすることで、安全・安心・快適な状態を維持することができるのです。
悪循環に陥らないことが重要
このような悪循環に陥らないために、バイタルサインをモニターで逐次監視し、鎮静の深度を調節したり、適切な薬剤を使用したり、場合によっては局所麻酔の適切な追加を行うことも大切になってきます。
本数?侵襲の大きさ?時間?
患者さんにとってつらいのは、「痛み」だけではありません。切削器具の振動や音、骨ノミやオステオトーム使用時の頭にまで響く衝撃、長時間にわたって口を開け続けていることや、同じ姿勢を強いられること、といった「不快感」は想像以上に大きいといえます。
したがって、切削器具を長い時間使用して多くの本数を埋入場合は鎮静することで、かなり患者さんの負担は軽くなります。現在耳鼻科領域では、サイナスの手術はほとんど全身麻酔下で実施されています。そういった現状を参考にすると、サイナスリフトにおいては少なくとも静脈内鎮静法を併用すべきと考えられます。
自家骨を採取したり大きな切開を伴う場合、術野が両側もしくは上下顎に及ぶ場合の侵襲も、かなり大きなものといます。したがって静脈内鎮静法の併用が必須ではないでしょうか?
時間が長くなると、長時間の開口や同一姿勢の保持は、患者さんにとって大きなストレスとなります。手術時間が90分を超えるとほとんどの患者さんが体動を示しますし、バイタルサインの変動も大きくなってきます。先生ご自身に当てはめてみればすぐわかることですが、目が覚めたまま同じ姿勢を90分保てるでしょうか?まず難しいと思います。ですから静脈内鎮静法を併用する意味は大きいのです。
工夫次第で、2時間以上の長時間手術も可能です
全身麻酔と違い、導尿できないこと、局所麻酔の奏功時間が決まっているので、治療時間は原則として2時間程度までお願いしています。しかしながら、手術計画を工夫し、途中で一旦覚醒させてトイレに行ってもらったり、ブロックことに2時間以内の手術を組み合わせることで長時間の手術にも対応しています。
1本だけだから局所麻酔のみでいい?
患者さん側からすれば、たとえ1本だけのインプラント埋入手術でも、とても大変に思える場合もあります。手術を受けるか受けないか......最初のハードルを下げてあげることはとても重要といえます。
鎮静下での治療は、先生のストレスも軽減します
●手術に集中したい
●スタッフや若い先生のトレーニングを兼ねたい
●新しいシステムや術式、器具、材料などを使用したい
●インプラント治療の経験が浅く、落ち着いて手術に臨みたい
静脈内鎮静法は、患者さんのためだけにあるのではありません。サイナスリフトや骨移植、多数の埋入を手がける、インプラント専門医のためだけにあるのでもないのです。患者さんは適切な鎮静状態になり、全身管理を歯科麻酔科医にまかせていることで先生も負担が軽減されて、心に余裕が生まれてきます。その結果先生は手術に集中でき、より質の高いインプラント治療を提供できるのです。
患者さんの90%以上が大変満足し、次回も静脈内鎮静法を希望
日本歯科麻酔学会での報告でも、90%以上の患者さんがとても満足していて、次回も静脈内鎮静法を希望しているという結果です。
(日本歯科麻酔学会誌、33(5)714~719,2005、39(5)648~649,2011)
一方で8割の患者さんが事前に静脈内鎮静法の知識がありませんでした。静脈内鎮静法を知らないで、せっかくのよい治療をためらっていらっしゃる方も大勢いらっしゃるということです。
ぜひ先生方に静脈内鎮静法の正しい知識とそのメリットの理解をより深めていただきたいと思っております。困っていらっしゃる患者さんへ、その有効性をお伝えいただき、今後の診療に役立てていただきたいと思っています。
患者さんには、よりストレスのない快適な治療環境を!これから経験を積まれる先生方には、余裕を持って手術に望めますように!経験豊富な先生方には、適応拡大とより質の高い診療を提供できますように!